ご相談内容について

はじめにご理解いただきたい大切なこと

カウンセリングは、医療に代わるものではありません。お悩みの背景に医学的な治療が必要な心身の状態がある場合、また、お薬による治療が有効と考えられる場合は、まず精神科や心療内科などの医療機関を受診されることを強くお勧めしています。当相談室でも、必要に応じて医療機関との連携を大切にしています。

人前での強い緊張や恐怖でお悩みの方へ(社交不安症など)

《こんなことでお困りではありませんか?》

  • 人前で話したり、注目されたりすることに強い苦痛を感じる
  • 「変に思われたらどうしよう」と過度に心配してしまう
  • 会議や雑談など、社交的な場面を避けるようになってしまった

《カウンセリングで目指すこと》
社交不安は、ご自身の考え方のクセや、不安を避けようとする行動によって維持されています。カウンセリングでは、まずその悪循環の仕組みを理解します。その上で、不安な状況に対する考え方のバランスを取り戻したり、安心できる環境で少しずつ苦手な場面に挑戦したり(行動実験)することで、「不安があっても大丈夫だった」という成功体験を積み重ね、自信を取り戻すお手伝いをします。

突然の動悸や息苦しさへの不安でお悩みの方へ(パニック症など)

《こんなことでお困りではありませんか?》

  • 予期せぬ動悸やめまい、息苦しさ(パニック発作)を経験したことがある
  • 「また発作が起きたらどうしよう」という強い不安(予期不安)がある
  • 発作が起きそうな場所(電車、人混みなど)を避けるようになってしまった

《カウンセリングで目指すこと》
パニック症の中心は「発作そのもの」よりも「発作への恐怖」です。カウンセリングでは、まずパニック発作の正しい知識を学び、身体のサインを破局的に捉えてしまう考え方のクセに気づきます。その上で、これまで避けてきた場所や状況に、安全な方法で少しずつ身を置く練習(曝露療法)を行い、「発作が起きても対処できる」「不安は時間と共に自然と和らぐ」という感覚を、心と身体で学んでいきます。

日常の様々なことへの過剰な心配でお悩みの方へ(全般性不安症など)

《こんなことでお困りではありませんか?》

  • 仕事、健康、家族のことなど、常に何かしらの心配事が頭から離れない
  • 「もし〜だったらどうしよう」と最悪の事態ばかり考えてしまう
  • 心配しすぎて疲れ果て、集中できなかったり、眠れなくなったりする

《カウンセリングで目指すこと》
心配すること自体は、危険を避けるための大切な能力です。しかし、それが過剰になると心を消耗させてしまいます。カウンセリングでは、ご自身の心配がどのような思考パターンから生まれているかを分析します。そして、心配事を頭の中でぐるぐるさせるのではなく、問題解決に役立つ心配と、そうでない心配を区別する練習をします。今できることに集中し、コントロールできない未来の不安とは距離を置くスキルを身につけることを目指します。

気分の落ち込みや抑うつ的な気分でお悩みの方へ

《こんなことでお困りではありませんか?》

  • 何をするのも億劫で、以前は楽しめていたことが楽しめない
  • 「自分はダメだ」「すべて自分のせいだ」と自分を責めてしまう
  • 考えが堂々巡りして、ネガティブな思考から抜け出せない

《カウンセリングで目指すこと》
うつ的な気分は、私たちのエネルギーを奪う「思考」と「行動」の悪循環によって維持されがちです。カウンセリングでは、まずその仕組みを一緒に理解します。その上で、ご自身の負担にならない範囲で少しだけ行動してみる(行動活性化)ことで気分の改善を図ったり、物事の受け止め方に別の視点を取り入れたりすることで、ご自身の力で悪循環から抜け出すお手伝いをします。

子育てに関する悩みやストレスでお悩みの保護者の方へ

《こんなことでお困りではありませんか?》

  • お子さんへの接し方が分からず、つい感情的になってしまい自己嫌悪に陥る
  • お子さんの発達や不登校など、将来への不安でいっぱいになる
  • 誰にも相談できず、一人で抱え込み、孤独を感じている

《カウンセリングで目指すこと》
このカウンセリングは、まず保護者ご自身のこころをケアするための時間です。保護者の方が安心してご自身の不安や焦りを話せる場を提供します。その中で、お子さんへの見方やご自身の考え方のクセに気づき、少しだけ視野を広げるお手伝いをします。保護者の方の心が少しでも軽くなることが、結果としてお子さんとの関係にも良い影響を与えていくことを目指します。

ストレスによる心身の不調でお悩みの方へ(心身症など)

《こんなことでお困りではありませんか?》

  • 病院で検査をしても「異常なし」と言われるのに、腹痛や下痢が続く(過敏性腸症候群など)
  • ストレスを感じると、頭痛やめまい、動悸が起きやすい
  • 原因不明の身体の痛みや不調が続き、日常生活に支障が出ている

《カウンセリングで目指すこと》
心身症は、こころのストレスが身体の症状として現れる状態です。カウンセリングでは、まず身体の症状と、その時の感情や考え、出来事との関連性を一緒に探り、「ストレスと症状の悪循環」を理解することから始めます。
その上で、ストレスに気づき早めに対処する方法(ストレスコーピング)や、心身の緊張を和らげるリラクゼーション法を学びます。症状への過度な不安や「また悪くなるかも」という考え方に目を向け、症状とうまく付き合いながら、生活の質を高めていくことを目標とします。

※まず、症状に応じた身体科(内科など)を受診し、身体的な疾患がないことを確認することが大前提となります。

つらい体験後の心の不調でお悩みの方へ(トラウマ・PTSD関連)

、EMDRなど)は行っておりません。

《こんなことでお困りではありませんか?》

  • つらい体験の後、気分の落ち込みや不眠、イライラが続いている
  • 突然、その時の記憶が鮮明に思い出されて苦しくなる(フラッシュバック)
  • 関連する場所や人を過度に避けるようになり、生活が不自由になっている

《カウンセリングで目指すこと》
当相談室のカウンセリングは、つらい体験を経て不安定になった「現在の生活」を、安全に立て直すことに焦点を当てます。まずは安心できる環境で、乱れた生活リズムを整えたり、リラクゼーション法を通して心身の過度な緊張を和らげたりする方法を学びます。その上で、ご自身の感情との付き合い方や、バランスの取れた考え方を身につけ、ご自身のペースで少しずつ「いま、ここ」での安心感を取り戻していくサポートをします。

※より専門的なトラウマ治療が必要と判断される場合は、適切な専門機関や医療機関をご案内させていただきます。

ここに挙げたお悩みは一例です。
どのようなお悩みであっても、「こんなことを相談してもいいのだろうか」と一人で抱え込まず、まずはお気軽にお問い合わせください。
あなたのお話をじっくりお聴きすることから、一緒に始めていきましょう。