心理相談室ちゃのまの杉田真也です。不安についてのコラム、第7回です。
これまで不安の仕組みや体の反応についてお話ししてきました。
強い不安は本当につらいものですから、「不安なんてゼロになればいいのに」と思うのは当然のことです。
ですが、実は「不安をゼロにする」という目標を立てること自体が、自分を苦しめる原因になってしまうことがあります。
今回は、心がラクになる「目指すべきゴール」についてお話しします。
目次
1. 「不安をゼロにする」が逆効果になる理由
「絶対に不安になりたくない」と強く思うほど、心には次のような悪循環が生まれます。
- 小さな不安に敏感になる「不安を感じまい」と意識しすぎることで、かえって心のセンサーが過敏になり、疲れ果ててしまいます。
- 少しの不安で自分を責めてしまう「また不安になってしまった」「なんてダメなんだ」と自分を責め、それがさらに新しい不安を生んでしまいます。
そもそも不安は、危機から身を守るための警報機です。完全に消えてしまうと、いざという時に危険を避けられなくなってしまいます。
2. 目指すのは「適度な不安」と付き合うこと
実は、不安や緊張は「ゼロ」よりも「適度にある状態」のほうが、人の集中力やパフォーマンスを高めてくれます。
スポーツ選手が良い結果を出すときも、無緊張ではなく「適度な緊張感」を持っています。
不安で苦しいときを目指すゴールは、不安を消すことではなく、「不安を感じながらも、やりたいことや生活が送れる状態」です。
これは「天気」に例えると分かりやすくなります。
- 不安をゼロにする: 無理やり雨を止ませようと格闘すること
- 不安と付き合う: 「雨が降っているから傘をさして出かけよう」と準備すること
無理に天気を変えようとするのではなく、雨が降っていても自分をケアしながら進んでいくイメージです。
まとめ
次回は、ついハマってしまいがちな「考えすぎ(思考のループ)」の仕組みについてお伝えします。
一人で不安との付き合い方を整理するのが難しいときは、いつでも心理相談室ちゃのまにご相談ください。臨床心理士・公認心理師と一緒に、ご自身に合った方法を少しずつ試していきましょう。