「決断できない」を軽くする、4つのステップ

こんにちは。
臨床心理士・公認心理師の杉田真也です。

不安の記事の15回目です。
今回は、私たちの人生で何度も訪れる、「決断」にまつわる不安について、一緒に考えていきたいと思います。

転職、引っ越し、結婚、高価な買い物をするとき、どの治療法を選ぶかといった場面…。

大事な選択を前にしたとき、「もし、間違った方を選んだらどうしよう…」という不安で、頭がいっぱいになってしまう。
メリットとデメリットを延々と考え続け、結局どちらも選べずに、ただ時間だけが過ぎていく…。

そんな経験はありませんか?

今回は、この「決断できない」という苦しみの背景にある不安の正体と、ぐるぐる思考から抜け出すための具体的なステップについてお話しします。

なぜ、私たちは決断が怖くなるのか?

決断できないのは、決してあなたの優柔不断さが原因ではありません。
その根っこには、「失敗したくない」「後悔したくない」という、強い不安が隠れています。

特に、真面目で責任感の強い人ほど、「絶対に完璧な、100点満点の正解を選ばなければならない」というプレッシャーを自分にかけてしまいがちです。

しかし、残念ながら私たちの人生に「完璧な正解」が用意されていることは、ほとんどありません。
どちらの道を選んでも、きっと良いこともあれば、大変なこともあるでしょう。

大切なのは、100点の選択肢を探し続けることではなく、「今の自分にとって、より納得できる選択はどちらか」と考え、その決断に責任を持つことです。

選択の不安を整理する、4つのステップ

では、どうすれば「納得できる選択」に近づけるのでしょうか。
頭の中がごちゃごちゃになったときに試してほしい、思考を整理するための4つのステップをご紹介します。

ステップ1:頭の中から、全部出す
まず、悩んでいることを全て紙に書き出してみましょう。
「A案のメリットは…、デメリットは…」
「B案を選んだ時に心配なことは…」
頭の中だけで考えていると、同じことを何度も繰り返し、思考のループにはまってしまいます。
文字にして「見える化」するだけで、自分の考えを客観的に眺められるようになり、堂々巡りから抜け出すきっかけになります。

ステップ2:自分にとっての「ものさし」を決める
次に、その決断において、自分が一番大切にしたいことは何かを考えてみましょう。
それは「安定」ですか? それとも「成長」?「自由」? もしかしたら「家族との時間」かもしれません。
この「自分だけのものさし(価値観)」をはっきりさせることで、どちらの選択肢がより自分らしいかを判断する、明確な基準ができます。

ステップ3:「もし失敗したら?」を具体的に考えてみる
私たちは「失敗」を漠然と恐れがちです。そこで、あえて「もし、この選択がうまくいかなかったら、具体的にどんな最悪の事態が起こるか?」を考えてみましょう。そして、「その時、自分に何ができるか?」まで想像してみるのです。
「失敗=人生の終わり」ではなく、「失敗しても、こうやって修正できるな」と見通しが立つだけで、選択への恐怖は大きく和らぎます。

ステップ4:「70点でよし」と考える
100点満点の完璧な選択を目指すのをやめ、「70点くらいなら、まあ良い選択だろう」と、ハードルを下げてみましょう。
そして、ある程度考えたら、「この期間内に決める」と、自分で締め切りを設定します。
大切なのは、「その時点での最善を選ぶ」と腹を括ることです。未来のことは誰にも分かりません。今の自分が納得できる選択をすることが、未来の後悔を最も少なくする方法です。

決断には、勇気がいります。
不安を感じるのは、自分の人生に真剣に向き合っている証拠です。

完璧な答えを探し続けるのではなく、不完全な情報の中でも「自分で選んだ」という納得感を大切にする。
それが、決断できない不安から抜け出すための一歩になります。

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