こんにちは。
臨床心理士・公認心理師の杉田真也です。
不安の記事の17回目になりました。
今回は、SNSなどが身近になった現代ならではのお悩みについてお話していきます。
ふと開いたSNSで目にする、友人の結婚報告や、楽しそうな旅行の写真。
職場の同僚が、新しいスキルを身につけて活躍しているという話。
周りの人たちが、なんだかとても充実していて、まぶしく見える。
それに比べて、自分は代わり映えのしない毎日で、何も変われていない気がする…。
そんな風に、「自分だけが、この場所に取り残されていくような」寂しさや焦りに、胸がぎゅっとなることはありませんか?
今回は、その苦しい気持ちの正体と、少しだけ心が楽になるヒントについて、一緒に考えていきたいと思います。
なぜ、私たちは焦ってしまう?
「みんなと同じ輪の中にいたい」「仲間外れになりたくない」と願うのは、私たちにとって、とても自然な気持ちです。
ただ、スマホを開けば、いつでも世界中の人たちの「一番良い瞬間」が見えてしまう今の時代。
私たちは、他人の人生の“一番楽しそうな場面”と、自分の悩みや退屈も全部含めた“普段の生活”とを、無意識のうちに見比べてしまっています。
そんな風に、いつも他人の「良い部分」ばかりを見ていたら、焦りを感じてしまうのは自然なことだと思います。
決して、あなたの心が弱いわけではないのです。
「みんな」から、「自分」へ
では、この焦りや寂しさと、どう付き合っていけばいいのでしょうか。
大切なのは、外に向きすぎている気持ちのアンテナを、少しだけ自分の内側に向けてあげることです。
1.自分にとっての「楽しい」は、なんですか?
「取り残されている」と感じるとき、私たちは「みんながしていること」が正解のように思えてしまいます。
でも、一度その考えから離れて、「自分は、何をしている時が一番ホッとするかな?」と考えてみませんか。
話題のイベントに行くことよりも、家で好きなアニメを見ている方が、幸せを感じられるかもしれません。
他人の「楽しい」と、自分の「楽しい」は、違っていても全く問題ないのです。
2.昨日より、半歩でも進んでいれば
周りの人の大きな変化と比べてしまうと、自分の毎日が止まっているように感じられるかもしれません。
でも、本当にそうでしょうか。
昨日より一行でも多く本が読めた。先週はできなかった料理に挑戦してみた。
そんな、誰にも気づかれないような、自分だけの小さな変化に目を向けてみてください。
人生の進むペースは、人それぞれです。自分のペースで、昨日よりほんの少しでも前に進めていたなら、それは素晴らしいことだと思います。
3.何もしない時間を、自分にプレゼントする
どうしても周りが気になってしまうときは、物理的に情報から離れてしまうのが一番です。
「寝る前の30分は、スマホに触らない」
「週末の午前中は、SNSのアプリを開かない」
そんな風に、意図的に「比べようのない時間」を作るのです。
その時間で、ただぼーっとしたり、散歩をしたり、好きな音楽を聴いたりしてみます。
そうするうちに、いつの間にか「他人ものさし」から解放されて、穏やかな気持ちを取り戻せるかもしれません。
終わりに
他の誰かと同じように生きる必要はありません。
他人と自分を比べることも、同じペースで進む必要も、全くないのです。
もし、周りの人と比べて焦る気持ちが強くなったら、SNSやテレビから少し離れて、自分が今していることに集中してみてください。
例えば、温かいお茶を飲むこと、好きな音楽を聴くこと、部屋の片付けをすること。
そんな風に、「今、ここにいる自分」の時間を取り戻すことが、焦りや不安を和らげる助けになります。